近年、晩婚化や少子高齢化の影響で、家族や親族との同居経験がないまま単身生活を送る「おひとりさま」が増えています。
終活を考える上で、家族や親族に頼りにくい「おひとりさま」は、特に準備を早め、自分に合った方法で進めることが大切です。
ここでは、おひとりさまの終活で重要なポイント、具体的な方法などをご紹介します。
おひとりさまの終活で特に重要となるポイント
おひとりさまの終活は、ご自身の意思を明確に伝え、安心して最期を迎えるための重要な準備です。
以下では、おひとりさまの終活で特に重要となるポイントをご紹介します。
(1)意思表示を明確にする
◆エンディングノート : 医療や介護、葬儀、財産管理などに関する希望を書き記しておきます
◆任意後見契約 : 判断能力が衰えた時に、財産管理や介護に関する代理権を信頼できる人に与えます
◆死後事務委任契約 : 亡くなった後の葬儀や役所手続きなどを専門家に依頼します
(2)頼れる人を確保する
◆友人や知人 : 定期的に連絡を取り合い、困った時に相談できる相手をリストアップしておきましょう
◆行政機関 : 地域の福祉事務所や介護保険センターなど、必要なサポートを提供してくれる窓口を把握しておきましょう
◆専門家 : 弁護士や司法書士、葬儀社など、必要な場面で相談できる専門家をリストアップしておきましょう
(3)財産整理をしておく
◆財産リストを作成 : 不動産、預貯金、証券、貴金属、骨董品など所有するすべての財産をリストアップします
◆名義変更 : 不動産や預貯金などの名義を、相続人にスムーズに移行できるように準備しておきます
◆解約・処分 : 不要な契約や物品を解約・処分し、相続人の負担を軽減します
◆遺言書の作成 : 遺言書を作成することで、財産の分配方法について希望を明確に伝えられます
(4)孤独死対策を講じる
◆定期連絡 : 家族や友人と定期的に連絡を取り合い、孤立を防ぎます
◆見守りサービス : 民間企業や自治体などが提供する、安否確認や生活支援サービスを利用します
◆地域活動への参加 : 地域の活動に参加することで、社会とのつながりを維持します
◆緊急連絡先リスト : 緊急時に連絡できる家族や友人のリストを作成しておきます
(5)情報収集と相談
◆行政機関 : 地域の福祉事務所や介護保険センターなど、終活に関する情報提供や相談窓口を積極的に活用しましょう
◆専門家 : 弁護士、司法書士、税理士、葬儀社など、専門家に相談することで、より具体的なアドバイスを受けることができます
◆書籍・インターネット : 書籍やインターネットの情報も参考に、自分に合った終活方法を探しましょう
おひとりさまの終活を進めるための具体的な方法
さきほどご紹介した「重要なポイント」の中から抜粋して、終活を進めるための具体的な方法をお伝えします。
■エンディングノートを作成する
エンディングノートには、自身の希望や考えを自由な形式で書き記しておくことができます。
医療や介護、葬儀、財産管理などに関する希望を具体的に書いておくことで、残された家族や関係者に意思を伝えることができます。
■任意後見契約を結ぶ
任意後見契約は、元気なうちに自分で選んだ代理人に、将来判断能力が衰えた時に財産管理や介護に関する代理権を与える契約です。
家族や親族だけでなく、弁護士や司法書士などの専門家を選任することもできます。
■死後事務委任契約を結ぶ
死後事務委任契約は、亡くなった後に葬儀や役所手続きなどの手続きを専門家に依頼する契約です。
あらかじめ費用を支払っておくことで、残された家族の負担を軽減することができます。
■財産整理を始める
不動産や預貯金などの財産を整理し、必要に応じて名義変更や解約などの手続きを進めておきましょう。
また、遺言書を作成しておくことも有効です。
■孤独死対策を講じる
定期的に安否確認してくれるサービスを利用したり、地域の見守り活動に参加するなど、孤独死対策を講じておきましょう。
近年では、ITを活用した見守りサービスも増えており、一人暮らしでも安心して利用できるサービスがあります。
まとめ
おひとりさまの終活は、自分らしく、安心して最期を迎えるための大切な準備です。
早め早めに準備を始め、自分に合った方法で進めていきましょう。
分からないことがあれば1人で悩むのではなく、行政機関や専門家に相談するようにしましょう。