介護現場や日常的に多用される「ADL」ですが、これは介護が必要な高齢者が、生活を送る上でどのような能力があるのかを表す指標のことです。よく似た言葉で「IADL」があります。
どちらも、日常生活を送るために必要な動作を分類したものですが、ADLはより基本的な動作で、IDALはより複雑な動作です。
介護が必要な高齢者が自立した生活を送るためには、身体機能を低下させることを最大限に予防しなければいけません。ADLやIADLが低下すると、日常生活を送ることが困難になります。
今回は、高齢者の自立支援のために知っておきたい「ADL」「IADL」についてご説明します。
「ADL」と「IADL」の違いとは?
ADL(Activities of Daily Living)とIADL(Instrumental Activities of Daily Living)は、日常生活を送るために必要な動作を分類したものです。
ADLは、身体的な機能が必要な動作で、食事、排泄、入浴、移動、着替え、整容などです。
IADLは、ADLよりも複雑で、より高度な認知機能や社会的なスキルが必要な動作です。料理、掃除、買い物、電話、金銭管理、服薬管理などです。
ADLやIADLが低下する原因は何ですか?
ADLやIADLが低下する原因は、一般的に下記があります。
・加齢
・病気
・障害
・認知症
・うつ病
・ストレス
・栄養失調
・運動不足
・社会的孤立
このように、加齢による身体機能、認知機能の衰え、自宅に引きこもることによる精神的な落ち込みなどです。生活習慣病の発症なども挙げられます。
ADLやIADLが低下すると、日常生活を送ることが困難になります。場合によっては介護が必要なケースも出てきます。
ADLをチェックする方法はありますか?
ADLをチェックする方法はいくつかあります。
今回は、厚生労働省 日常生活動作(ADL)の指標を参考資料として掲載させていただきます。
参考資料:厚生労働省「日常生活動作(ADL)の指標」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184198.pdf
予防方法はありますか?
まずは健康的な生活を送ることが大切です。
健康的な生活とは、バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠をとることです。また、社会的な活動に参加したり、趣味を持つことで、社会的孤立を防ぐことも大切です。
また、ADLやIADLが低下している場合は、早期に医師や介護専門家に相談したり、介護サービスを利用する事も大切です。早期に介入することで、ADLやIADLの低下を食い止めたり、症状を改善したりできる可能性があります。
ADLのチェック方法については先述したように、専門家でなくてもご自身でセルフチェックできる内容になっています。チェックしてみて結果が良くても悪くても、予防方法を参考にして、毎日の生活を明るく前向きに過ごして下さい。そうすることで、ADLの維持または向上に繋がっていくことでしょう。